野球肩とスポーツ整体

野球肩(投球肩)について

概説

・野球などの投球動作に似たスポーツ活動によって起こる肩への故障をまとめて“野球肩”と言います
・主にピッチャーが肩を酷使するために起こる障害ですが、筋肉・靭帯の炎症・関節内の炎症・骨の損傷・変形などさまざまな病変があり、これらの病変は単独で起こる場合だけではなく、重複して起こる場合もある。
・初期症状として、投げはじめに痛みを感じ、フォームアップをしてからだが温まってくると痛みが減少したり、投げているうちに痛みが無くなる場合が多いため、ごまかしながら使い続け、いつのまにか「ボールを投げれない」「肩が上がらない」状態まで悪化してしまう。

投球動作による障害のパターン

ワインドアップ期
・ 投球動作に入るまでの動作
・下半身が主導なので肩の障害は起きない

コッキング期
・ ボールを持った手が最大に後ろにある(外旋、外旋)時期の動作
・肩関節の後方への運動により、肩の前方の筋肉、三角筋や上腕二頭筋が引っ張られる

このため、上腕二頭筋長頭炎やインピンジメント症候群、腱板損傷が発生しやすくなる

アクセラレーション期(加速期からリリース期)
・ 加速期はボールの投げはじめからボールを手放すまでの動作
・ リリース期はボールが手から離れて、腕の動きが急に減速される時期までの動作
・この時期は最もスピーディーな動作が行われる。肩関節は内に捻じられ(内旋・内転)腱板損傷や肩峰下滑液包炎、インピンジメント症候群が発生しやすくなる。

また、小児においてはリトルリーグ肩を発生させる

フォロースルー期
・ ボールを投げ終えて投球動作が終わるまでの動作
・腕が前方に振り出されるため、腱板や肩の後面が引き伸ばされ、上腕三頭筋炎や肩関節後方の関節包や関節唇を損傷しやすくなる(ベンネットリージョン・スラップリージョン)

~疾患別症状~

インピンジメント症候群

・肩の使いすぎによって肩峰下滑液包と腱板が炎症を起こし、これらが肥厚、変性して骨とぶつかり、肩の痛みや運動障害を起こす。
また、進行すると腱板断裂(不全断裂が多い)へと移行するので要注意

『肩を上げる時に痛みを訴え、夜間痛もある』

リトルリーグ肩

・10才から15才に多い
・投球動作によって上腕骨骨頭の骨端線が損傷される疾患
・別名、上腕骨近位骨端線離開とも呼ばれる
・大半が投球回数の多い投手か捕手に発生する
・十分な筋力がなく、過度の関節の柔軟性を認める小児期に、間違った練習方法や練習のやり過ぎにより発生する

『原因』
リトルリーグ肩はアクセラレーション期に繰り返しの内捻じりによって骨に異常な回旋ストレスと牽引力が加わり、上腕骨近位骨端線が損傷されると考えられる。

『症状』
・投球時の肩の痛みや脱力感、運動障害
・痛みの場所は他の投球障害のように肩の前方や後方などに限局しておらず骨端線全域にわたり痛みがある
・また、あらゆる方向の運動で痛みが誘発される

ルーズショルダー

・肩関節のあらゆる方向に不安定性があり、以上に緩くなっている状態
・スポーツ選手以外でも、先天的に関節の緩い人や遺伝性もある

『原因』
・いわゆるインナーマッスル(腱板)の機能低下
・アウターマッスルを鍛え過ぎて、肩関節の負担が増え症状の悪化させてしまうことがある。
・投球動作などにより関節内で不安定な動きをおこし周囲の組織の炎症を起こしてしまう。

『症状』
・投球時に疼痛、不快感、脱力感を訴えるようになる
・フォロースルー期に痛みを感じやすい

スポーツ整体での治療の考え方

1. 安静

・基本的に野球肩で大切なことは、まず投球を禁止して肩関節を安静にすること
・特に、リトルリーグ肩は投球を禁止すればしっかり治る(程度によるが軽度のもので1カ月)

2.定電流治療器AAP、スポーツ鍼灸

・電気治療で細胞の活性化、スポーツ鍼灸による疲労回復や筋肉の緊張の除去

3. 筋力トレーニングやストレッチ指導、フォーム指導

・肩関節を安定させるためには、腱板(インナーマッスル)を強化する必要がある
・肩関節周囲全体をしっかり伸ばすこと
・肩関節の負担を減らすフォームの改善

最後に

完全復帰するまで焦らず徐々に投球数や投球距離を増やすことが重要で、現場の指導者の協力と理解が不可欠です。

熊本県熊本市でスポーツによる腰痛、野球肘、野球肩、シンスプリントでお困りの方は、てとり整体院までお越し下さい。

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